引き続き舞城

・みんな元気/舞城王太郎
九十九十九舞城王太郎

始めに読んだ「煙か土か食い物か」が、彼の作品の中ではかなり推理小説の体裁を忠実に守ってるものだったものらしく、次々と新しいものを読み進めていくうちに、ブーロクンしてて現代的な文体の特徴とは裏腹に、そこに述べられてるのは作者の小説論であったり、哲学、思想の、なんていうだろ、部分であり全体であり、みたいな、ぴょこぴょこ現れては、その都度隠れてしまうんだけど、全体を通してみれば作品が思想・哲学・小説論などを体現している、という不思議な作品で。
要するに一回読んだだけですっかり飲み込めるようなものじゃないかなあという印象。